二世帯住宅と耐震

二世帯住宅の耐震は、建物面積全体に対して効果が発揮されるように設計してもらうようにしましょう。仕様が完成している建売分譲と違って、注文住宅を新築するときは設計段階から担当者と話し合えます。地震に対しての強さを確認したいときは、遠慮なく工務店に質問しましょう。耐震性能は設備によっても変わりますので、建物の構造と設備の両方を把握するようにしましょう。建物の構造は、建築基準法でも定められていますから、基本的に基準を遵守して設計されるので心配ありません。耐震性能を高めるために設備機器類を活用するときは、設備機器類の詳細を説明してもらいましょう。

二世帯住宅に暮らす家族のうち、誰かが把握していれば良いというよりも、できるだけ親世帯と子供夫婦世帯の両方で情報共有を心がけましょう。注文住宅は長持ちしやすい住まいですが、定期メンテナンスと適切なリフォームを施工すればこその耐久性です。将来的にはリフォームが必要になりますが、リフォームを決める段階で親世帯と子供夫婦世帯で誤解が生じてしまうと、スムーズに工事できなくなる可能性もあります。

耐震性能は、基本的な耐震の他に、免震構造と呼ばれているシステムがあります。コンクリート基礎と木造土台の間に免震構造の設備を設置します。新築時だからこそ、コストをかけずに設置できる設備です。新築したときに設置せずに、住まいが完成してから設置しようとすると、一戸建てそのものをクレーンで吊り上げて、コンクリート基礎と木造土台の間に設置するため、工事が大掛かりになりますし、費用も高くなります。

免震構造と似ている設備に、制震構造があります。制震は基礎と土台の間ではなく、壁材の内部などの筋交いを活用する設備です。柱と梁で囲まれたエリアに、斜めに交わせるように揺れを吸収できる設備を施工します。自分の住まいに設置しているのが免震構造なのか制震構造なのか、正確に把握して、家族でも情報を共有しましょう。注文住宅は工務店が定期メンテナンスを担当しますので、家族が知らなくても大丈夫なのですが、リフォームが必要になったときの見積り金額が高額に感じられてしまうと、格安で請け負っている別の施工業者に依頼してしまう危険性もあります。免震構造も制震構造も設備価格と工事価格は安くありませんが、震度7クラスの揺れを軽減させる効果は大きいです。建物も家具も家族も守れる構造です。

適切なメンテナンスと、正確なリフォーム工事が、耐震性能を効果的に維持できるポイントです。